2011年1月27日木曜日

「スキャンダル薬」メディアトー(Mediator) 安全は医者と政治家の権威回復で保障されるのか?


1月27日、国民運動連合(UMP)の議員で泌尿器科医のベルナール・デブレ教授は、昨年2010年のクリスマス前に、大統領官邸エリゼ宮殿にニコラ・サルコジ大統領を密かに訪ねて、今後メディアトー(Mediator)薬品の問題は大きなスキャンダルになると注意していたことが「ラジオFrance Info」で明かされた。
メディアトー(Mediator)製薬の問題では、薬品を管理する仏健康衛生製剤取締り局(Afssaps)が消極的で十分に機能していなかった問題を解決させるために、医者の提案で、医学部教授と製薬研究所との契約リストをつくる提案があり、この契約で教授たちは最高で月10万ユーロ(約1200万円)の報酬を得るようになると報道された。これもたいへんなスキャンダルのように思われる。

メディアトー(Mediator)薬品問題ではこれら医学部教授と製薬会社との関係の独立性が薬品の全体的管理のなかで問題になっていた。

デブレ教授の訪問の目的は、この薬品問題が政治的な大問題になることを警告するためだったという。同教授の話しにサルコジ大統領は関心を示し、グザビエ・ベルトラン健康相に話しておくようにいったという。

メディアトーの危険性はこのころ既に新聞やテレビでも騒がれて次第に大きな話題になっていた。外国では糖尿病の治療薬として使用が禁止されていたがフランスでは危険が何件も報告されていたが薬品は販売され続けていた。製薬会社は死人は数人だと主張して譲らないが、同じ物質がやせる薬に使用されていてこれまでに死亡者は1000人を超えるとも言われている。

資料は今のところは秘密で3月ごろに明らかにされるが、そこで提言されている方策は、政治家と医者が製薬会社に与えた権威を、再獲得させるものだという。つまり、政府が直接に仏健康衛生製剤取締り局(Afssaps)へ融資するというもので、製薬会社からではなくなっているという。

はたしてそれで薬の安全性が保障されるのだろうか?